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勉強におけるスマホ禁止のリスク

  • 執筆者の写真: OWNSTUDY 個別指導
    OWNSTUDY 個別指導
  • 4月8日
  • 読了時間: 4分

こんにちは。個別指導OWNSTUDYの佐々木です。


今回は、『勉強におけるスマホ禁止のリスク』についてお話しします。


大人も子供もみんなスマホが手放せない昨今、スマホのせいでお子様が集中して勉強するのがなかなか難しいというご家庭も多いかと思います。


それゆえ、勉強時間がスマホに奪われ、そのせいでお子様の成績が下がってしまった、と見て取れた場合、親や塾としてはお子様からスマホを取り上げようというのは自然な発想であると思います。


しかし、お子様が自分で判断してスマホ断ちするのは問題ない一方で、外部からいきなりお子様のスマホを取り上げるというのは私としてはかなりリスクのある行為であるように感じます。


今回は、そんな話をしたいと思います。



わたしが、お子様からスマホを取り上げることによって生じうる懸念は『揺り戻し』です。


揺り戻しというのは振り子の言葉で、振り子は右に押せば押した分だけ左側に戻ってくるという意味で使われます。


これがスマホ禁止という行為にもあてはまりうるとわたしは考えています。


わかりやすく言うと、『今スマホ禁止にした分の反動が、先の将来において大きなスマホ依存になって返ってくる』というリスクがあるように感じています。


子供時代に抑圧されたものは、それが子供の心の傷となり、大人になってからその傷を埋めるようにそれに固執してしまう、という現象が起こりうります。


目先の成績を上げるにはもちろんスマホは禁止にした方がよいのですが、この『揺り戻し』のリスクを考えると、わたしは生徒に対して極端な「スマホ禁止令」はとても出せません。



では、どうすればよいかと言う話をします。


もちろん簡単なテーマではありませんので、わたしが考えている断片的なアイデアを書くのみとします。


まず、わたしの指導では、スマホが成績向上を大きく阻害しているという事実を本人にわかりやすい形で突きつけられるように提示することを考えます。


そもそも私は、お子様がスマホ中毒だろうと、こちらが求める勉強時間をちゃんとクリアして、その取り組みがきちんと成績向上に反映されているのであれば、どうぞ好きなだけスマホを使ってください、という立場です。


なので、まずは「好きなだけスマホを使って、次のテストで結果を出してみてください」と声かけをすると思います。


それでちゃんと結果が出れば経過観察。できなければ本人に何が原因でこの結果になったのかをフィードバックします(勉強時間が足りないか、勉強方法がよくなかったかの2択になることが多いです)。


それで、成績向上の阻害要因が明らかにスマホであるとなった場合に、本人にスマホを優先して現状維持か、この状況を改善したいかを問います。


これで本人が現状維持を希望した場合は、もうこちらにできることはないので、本人がどこかで気づきを得るまでは、長い経過観察の時期に入ります(このケースは最も面倒ですが、いきなりスマホを取り上げて将来的に欲求がこじれるよりまマシだとわたしは判断します)。


本人が改善を望んだとしても、現状はそこまで劇的に変わることはありませんが、たとえば塾生であれば、塾に来てしまえスマホと離れて勉強に集中できますので、塾に来る時間を増やすことで強制的にスマホと離れるという工夫をしたりできます。


なるべく根性論ではなく、仕組みとして自然とスマホと離れることができるような方策を提示することが大切です。


また、すべてに一貫して、本人に最終的な決断をさせることが最も大切ですので、これだけは意識して堅守すべきだと思います。


(私の指導では、宿題の有無や量、勉強内容に関しても、すべて本人に説明して、本人は納得してからやってもらうことを徹底しています。何事も無理矢理やらせるのは、その後の反動が怖いです。)



わたしは、生徒には学生時代だからこそ、スマホとの付き合い方、スマホと勉強との間の葛藤を存分に味わってほしいと思っています。


スマホで大きな失敗をして、そこから得た気づきでスマホとの上手な付き合い方が学生時代に確立できたなら、それは生涯にわたる大きな財産となるでしょう。


子供が自分の力だけで、上手な落としどころを見つけられるとは限りませんので、まわりの大人は本人に良い感じの気づきをあたえられるようにサポートしていきたいです(これが難しいのですが)。


人を外部から変えるというのはほぼ不可能ですが、外部が気づきの環境をつくるというのはいくらでもできます。


環境づくりとは、本人に対して言い訳できる余地をひたすら潰していくという作業に近いとわたしは考えています(これはまた別の話)。


こちらにできるのは、きっかけを与えて待つことだけですので、スマホを取り上げるなどの強行策は、わたしはあまり推奨しませんし、わたし自身は指導の際には絶対にやらないというお話しでした。


それでは、次の記事もよろしくお願いします。

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