【目安】塾講師が考える学年別でとってほしい学習時間【小中高】
- OWNSTUDY 個別指導
- 2024年12月25日
- 読了時間: 9分
こんにちは。個別指導OWNSTUDYの佐々木です。
今回は、塾講師が学年別でとってほしい学習時間についてお話しします。
以下の意見はすべて私の指導経験・知識による主観的なものであることをご了承ください。
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小学1・2年生 : 学年×20分
小学校低学年のお子様の学習で意識したいことは、
① 勉強は最低限でOK。しかし、決めた時間は必ずやること。0分は絶対にダメ。
② 宿題などのやるべき勉強は終わったら必ずそこで終わること。追加の勉強をさせない。
③ 勉強よりも身体的な遊びをする時間を多く取る。ゲームも長時間でなければ悪くはない。
の3点であると思います。
とにかく、
・時間は短くて良いので毎日勉強をする習慣をつける。
・勉強よりは遊びを優先する。
ことで、勉強に対する拒絶感を抱かせないことが重要であると思います。
余裕があるならば、英会話塾やプリント系の学習塾に無理のない範囲で通わせてみても良いかもしれません。
小学3・4年生 : 1時間
小学校中学年のお子様の学習で意識したいことは、
① 小学校1・2年生レベルの四則演算の計算問題を解いて計算スピードを上げる。
② とにかく基本的な計算の練習をたくさんする。
③ 授業内容につまずく場合は早めに動きたい。
の3点であると思います。
中学生・高校生を見据えると
・とにかくたくさん計算練習をして、素早く計算できるように練習する。
・勉強でつまずくことが予想されるので何かしらの対処をしたい。
・勉強と遊びは2:8くらいの優先度で考える。
ことを意識 したいです。
勉強でつまずき始めるお子様が見られると思いますが、そういう場合でも、難易度をめちゃくちゃ落としても良いので、とにかく計算練習はしっかり取り組ませることが大切だと思います(本当に足し算の100マス計算などに取り組んでほしいです)。
勉強が苦手そうな様子がなければプリント系の学習塾に通わせても良いですが、勉強につまずきが見られる場合は、個別指導系の学習塾に切り替えた方が良いかもしれません。
小学校の先生を目指しているような大学生の家庭教師などもご縁があれば検討したいです。
小学5・6年生 : 1.5〜2時間
小学校高学年のお子様の学習で意識したいことは、
① 引き続き、計算練習をメインで頑張る。
② 内容はなんでも良いので、毎日勉強時間を90分以上取る。
③ 勉強と遊びは4:6くらいの優先度で考える。
ことを意識したいです(中学受験を目指すのであれば別です)。
中学校への接続としては、
・ 基本的な四則演算、小数・分数の計算が素早く正確にできる。
・ 基本的な漢字が書ける、読める。
・ 毎日90分以上勉強できる。
の3点ができていると、塾講師的にはかなり指導がしやすいと感じます。
しかし、やはり勉強が嫌にならないことが第一優先ではあるため、そこまで過剰に勉強漬けにする必要はないように感じます。
小学校高学年からは、お子様の様子を見ながら個別指導系の学習塾を検討したいところです。英会話教室に通っている場合は継続するのが良いと思います。お子様が勉強が得意そうであればプリント系学習塾を継続しても良いですが、プリント系学習塾では補えない分野もありますので、総合的に学力を鍛えるのであれば通常の学習塾に切り替えることも検討したいところです。
☆
中学1・2年生 : 平日2.5時間・休日4時間
小学生までの勉強時間目安は、中学生までにこうなってほしいというビジョンを軸に書いてきましたが、ここからは私の指導上の経験論をもとに書いていきます。
中学生のお子様の学習で意識したいことは、
① スマホは買い与えない、もしくはお子様と約束して使用制限を設ける。
② 声掛けは、お子様が既に勉強(宿題)を終えているテイで行う。
③ 言い訳させない学習環境を用意する。
の3点です。
まず、中学生になったら、保護者は基本的にお子様の勉強の細かい制御はできません。
お子様に声をかければ口論になりますし、勉強をするように言うほど勉強をしなくなります。
モノを買い与えることを条件にするなどして一時的に制御できる場合もありますが、モノを報酬にして勉強をさせると、モノという報酬がなければ勉強をしないお子様が誕生してしまう可能性が高いですので、私は推奨しません。
中学生以降のお子様に対して保護者様ができることは、基本的にはお子様に学ぶための環境を整えてあげることくらいだと思います。
通塾がまさにそのための最良の選択肢になると思います。
また、スマホやタブレットを無制限で使用させることは、勉強という観点においては悪影響に傾くことが多いように感じます。
スマホを所持している生徒は、やはりどうしても勉強中にスマホを触ってしまいます。
スマホにはもちろんたくさんのメリットがあるとは思いますが、現状の私の意見としてはお子様の集中力を奪うというデメリットが勝るように感じます。
中学生以降からは、お子様の勉強を保護者様が見れなくなってくることも多ように思います。
勉強は一度つまずくとリカバリーがすごく大変ですが、現在の学習指導要領は歴代で最も難しいと言われていますので、勉強でつまずかない方がむしろ珍しいとさえ言えます。
自宅に静かな学習スペースを用意するというのでも良いですし、通塾を始めるというのでも良いですので、お子様が勉強に集中できる環境を用意することが保護者様にできる精一杯のことではないかと思います。
※中学生は保護者様の言うことはあまり聞きませんが、塾の先生(私)の言うことは高確率で素直に聞きいてくれます。保護者様以外の第三者の大人がお子様の学習を支援するという環境はかなり有効であると感じます。
中学3年生 : 平日4時間・休日8時間
多いと感じるかもしれませんが、私は中3生は大学受験を見据えるとこれくらいは勉強すべきだと思っています。
中学3年生と言うのは、おそらく保護者様が思っている以上に大切な時期です。
長時間勉強しなければならない大きな理由の1つは高校受験です。
高校受験でお子様の人生が完全に決まるわけではありませんが、大きく方向づくことは間違いありません。
しかし、大きな理由がもう1つあります。
それは、大学受験の下地づくりです。
大学受験は、文字通りお子様の人生の前半の方向性が大きく決定します。
大学受験は全国戦ですので、国公立大学や難関私立大学などを目指す場合は、自身の健康を維持する以外の時間はすべての時間で勉強する、という人たちがライバルになります。
そのため長時間集中して勉強できる『勉強体力』というのが非常に重要になります。
この勉強体力が身につくのが、私は中学3年生が最後であると考えています。
要するに、『中学3年生までに10時間勉強ができなかった人は、大人になってからも10時間勉強はできない。』ということです。
10時間続けて勉強できる能力というのは、大学受験だけでなく、大学の試験勉強や資格勉強をするときにも役に立つ力です。
私は、この10時間勉強ができる勉強体力というものを自塾の中学3年生に人生の財産として身につけてほしいと考えています。
中学3年生までであれば、いきなり10時間勉強を始めてもできるようになる人が多いのですが、高校3年生で初めて10時間勉強を始めるのはかなり厳しいです。
だから、中学3年生には長時間勉強してほしいのです。
また、あまり勉強をしないで高校受験に合格してしまうと、大学受験でかなり失敗しやすい、あるいは進学先を妥協しやすくなります。
たくさん勉強したから合格できた、という経験を持ってもらうことは、大学受験においてとても有利に働きます。大学受験はちゃんと勉強しないと合格できる望みは皆無に等しいからです。
中学3年生の勉強始めたては、まずは質より量、という発想で勉強に取り組んでほしいと思います。
*
高校1~2年生(理想) : 平日4時間 休日6時間
高校1~2年生(現実・文化部) : 平日3時間 休日6時間
高校1~2年生(現実・運動部) : 平日2時間 休日5時間
高校生の学習時間は、
・平日4時間 →めちゃくちゃ伸びる →難関大が見える
・平日3時間 →ゆっくり伸びる →県外の国公立大が見える
・平日2時間 →キープ〜やや下降 →県内の国公立大がギリ見える
というのが1つの目安です。
したがって、どんなに部活が忙しい部活生でも平日2時間はキープしたいところです。
高校1・2年生のうちは、それなりに勉強はしてほしいものの、勉強漬けになるよりは、自分の趣味や一人旅など、クリエイティブな活動にも挑戦してほしいと思っています。
勉強比重としては、毎日数学と英語に90分はかかると思いますので、それが最低限確保できるのが3時間。+1時間でもう1科目できるのが4時間です。
この平日学習時間の3時間から4時間の壁が、高校生のスケジュール的にはかなり大きいのですが、これができるとかなり学力を伸ばせると思います。
高校生は、勉強における落とし穴がかなり多いように感じています。
特に、
・数学は勉強のつまずきがその都度解消できずに蓄積されるとかなり厳しい。
・英語は英単語の覚え方、英文法の理解・英文解釈の学び方など、学校ではなかなか教えてくれない学び方をマスターしないと伸びにくい。
という2点があります。
この点は通塾してプロ講師や3年目以上の大学生講師から学べると大丈夫だと思います(たぶん)。
大学進学を目指しているのに、高校生で通塾をしないというのは、私的にはありえないというレベルで差がつきますので、高校生は高1の4月から継続して通塾を続けることをオススメします。
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高校3年生 : 平日5時間 休日10時間
高校3年生の勉強時間は、高校1〜2年生の頃にどこまで貯金を作れたかによりますが、基本的にはこれくらいは取り組みたいところです。
大学受験に必要な勉強はまさしく膨大。
やってもやっても終わることはありません。
そのため、できる限りの力をもって準備に臨む必要があります。
大学受験にあまり詳しくないご家庭の場合、6月ごろに部活を引退してからようやく通塾をしようと考えるご家庭もありますが、ボーダーフリーに近いレベル感の私大を目指すならともかくとして、国公立大学を志望しているのに高3の夏から受験勉強に取り組もうというのは、まず全く間に合いませんので、この場合は浪人を視野に入れた方が良いと考えます。
自分の使える時間の全てを受験勉強に捧げて取り組む、ということができる人だけが大学受験のライバルになりますので、ここに臆するようなメンタルだと、志望校は2ランク以上は下げなければなりません。
一応、必要勉強時間は示しているものの、これで満足しているようだとそもそもメンタル負けしていますので、高校3年生は『できる限りの時間勉強する』というのが大切です。
通塾に関しては、高3になってからではなく、高2の部活動を引退していないうちから早めに始めてほしいです。
◇
以上、学年別でとってほしい学習時間についてお話ししました。
わかりやすい目印として勉強時間を書いていますが、お子様の勉強効率や課題、日々の体調、メンタルの変動など、変数はたくさんあり、それによってイレギュラーなことはたくさんあると思います。
上記の数字は1つの参考指標として捉えていただければと思います。
それでは、次の記事もよろしくお願いします。
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